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研究会活動紹介

第27回肝細胞研究会 会長まとめ

会長 水口 裕之(大阪大学大学院薬学研究科分子生物学分野)

2020年12月15日(木)〜16日(金)の会期で、第27回肝細胞研究会をオンラインで開催させて頂きました。当初、2020年6月11日(木)〜12日(金)に大阪大学会館(大阪府豊中市)で通常の対面開催の予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症パンデミックのため、2020年4月に発せられた最初の緊急事態宣言の影響を受け、2020年12月に延期となりました。2020年6月当時は、まだオンラインでの学会開催も普及しておらず、右往左往しながら、研究会の開催方法を模索しました。当初は2020年12月に会場開催する予定で研究会を延期しましたが、長引くパンデミックの影響と、その間のコロナ禍での学会運営に関する経験が積まれてきたこともあり、完全オンライン開催に変更させて頂きました。オンライン開催でも充実したdiscussionが出来るように、それまではポスター発表も行われていた一般演題を全て口頭発表にし、若手研究者の育成を目的に一般演題(学生の部)も企画させていただきました。

メインテーマは「肝臓を学び、肝臓を使い、肝臓を操る」とさせていただき、これまでの本研究会で基礎研究者と臨床研究者がともに議論を重ねてきた多彩な研究領域に、少し薬学的な要素を融合させることによって、肝臓が関係する基礎の入り口から臨床的な出口までを幅広く議論する場になればと祈念いたしました。特別講演として、金子周一先生(金沢大学大学院)には「肝細胞がん研究の現状」を、金森敏幸先生(産業技術総合研究所)には「MPS (Microphysiological System)への期待」を、武部貴則先生(東京医科歯科大学・シンシナティ小児病院・横浜市立大学)には「ヒト肝臓出芽機構の解明と制御」のご講演を頂きました。また、シンポジウムとして「肝臓を使い、肝臓を操る ―創薬利用から移植までー」、ワークショップとして「NASHおよび肝がん研究の最前線」を開催し、第一線でご活躍されている先生方に最先端のご研究をご紹介いただき、充実した議論が展開されました。

一般演題からは以下の5演題を優秀発表(内、2演題は学生の部からの表彰)として表彰しました。

妊娠期肝臓の恒常性を維持する細胞ダイナミクスとその分子基盤の解明
上月 智司 先生 (京都大学ウイルス・再生医科学研究所)

内胚葉細胞から肝芽細胞への分化における伸展力学刺激の影響解析
吉本 昂希 先生 (京都大学生命科学研究科)

NASH病態進展における脂質生合成経路の役割
川村 聡 先生 (東京大学医学部)

多倍体肝細胞は倍数性を減少させながら肝発癌の起源となる
松本 知訓 先生 (大阪大学微生物病研究所)

放射線肝限局照射モデルマウスを用いた肝再生能の検討
占部 真貴子 先生 (大阪大学大学院医学系研究科)

最後に、研究会の延期、オンライン開催への変更と、会員・参加者の皆様にはご心配とご不便をおかけしましたが、常任世話人・世話人・会員の先生方、研究会参加の先生方、ご協賛下さいました企業の皆様から多大なるご支援を頂き、本研究会を開催することが出来ました。この場を借りまして、深く感謝申し上げます。

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