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研究会概要

「第24回肝細胞研究会」を開催して

第24回肝細胞研究会会長
旭川医科大学病理学講座腫瘍病理分野
西川祐司


特別講演の後、質問に答えられる原英二先生。


ランチョンセミナーをしていただいた
鹿毛政義先生(懇親会にて)。

2017年6月30日(金)、7月1日(土)の2日間、旭川市(旭川市民文化会館)において第24回肝細胞研究会を主宰させていただきました。おかげさまで、200名近い方々にお越しいただき、多くの素晴らしい発表と熱心な討議が行われ、無事閉会を迎えることができました。本研究会に参加していただいた皆様方、協賛していただいた団体、企業の方々に心から感謝申し上げます。

 肝細胞研究会は、旭川市では2006年の第13回肝細胞研究会(会長:葛西眞一先生、旭川医科大学外科学第二講座)以来の2回目、11年ぶりの開催でした。今回の研究会の標語は、肝細胞研究会の伝統を意識するとともに私たちが病理学を専攻していることから、「基礎から病態へ、病態から基礎へ」とさせていただきました。

 特別講演では、大阪大学微生物病研究所の原英二先生に「細胞老化と肝がん」についての最新の研究成果を紹介していただきました。細胞老化の研究の初期から真の意味で草分け的なお仕事を続けられてきた原先生のご講演は参加者に大きな感銘を与えるものでした。また、ランチョンセミナー(アレクシオンファーマ合同会社共催)では久留米大学名誉教授の鹿毛政義先生に、豊富なご経験をもとに脂肪肝の病理についての解説をしていただき、基礎研究者だけでなく、臨床に携わる研究者にとっても脂肪肝の複雑な病態を知る貴重な機会になりました。


シンポジウム1「肝再生と肝幹細胞
~肝再生における肝細胞機能と組織修復~」。


シンポジウム2「肝腫瘍の分子生物学
〜発癌メカニズムと治療標的〜」。



ポスタープレゼンテーション
(2分間のフラッシュトーク)。
演者は優秀ポスター賞を受賞した
東京医科歯科大学 金子俊さん。

 シンポジウムは「肝再生と肝幹細胞〜肝再生における肝細胞機能と組織修復〜」(オーガナイザー:札幌医科大学フロンティア医学研究所 谷水直樹先生、奈良県立医科大学内科学第3講座 吉治仁志先生;7演題)と「肝腫瘍の分子生物学〜発癌メカニズムと治療標的〜」(オーガナイザー:千葉県がんセンター研究所 筆宝義隆先生、旭川医科大学病理学講座 山本雅大;6演題)の2つのテーマで行われ、これらに関する研究の最前線が披露され、白熱した議論で盛り上がりました。

 一般演題は肝臓研究の広い領域をカバーする口演29題、ポスター35題で構成され、いずれも力のこもった興味深い演題で、肝研究のレベルがますます向上しているとともに、劇的に展開しつつあることを実感しました。今回、新しい試みとして、2日目のポスターディスカッションの前に口演会場で筆頭演者の方々にスライドを使った2分間のプレゼンテーションをしていただきました。余計なご負担をおかけしてしまいましたが、これによりポスター発表の全容が把握でき、その後のディスカッションが促進されたとのご感想をいただき、安堵しております。ポスター会場では若手の研究者が生き生きと発表している姿が印象的でした。ディスカッションの時間をもう少し長くとるべきだったかも知れません。閉会式で新進気鋭の4名の方々に優秀ポスター賞が授与されました。

 直前まで天気予報が二転三転して、一喜一憂していましたが、幸い、研究会は両日とも天候に恵まれ、初夏の旭川を楽しまれたことと思います。おもしろく、深く、難しい肝臓の研究に日々取り組んでいる全国の研究者たちが、1年に一度集う、大切な研究会を旭川でお世話できたことは、私自身の研究生活にとっての里程標となりました。あらためて皆様方のご協力に御礼申し上げます。来年、埼玉医科大学 富谷智明先生ご担当の第25回肝細胞研究会でお会いするのを楽しみにしております。


ポスター会場でのディスカッション風景。

第24回肝細胞研究会優秀ポスター賞

① P-9 木村拓也(東京大学 分子細胞生物学研究所 幹細胞制御研究分野)
「肝幹/前駆細胞の新規制御因子Tsukushiの機能の解明」
② P-14 金子俊(東京医科歯科大学 消化器内科)
「ヒトiPS細胞培養系を利用したHBV-HCV共感染下でのHCV排除により惹起されるHBVの再活性化メカニズムの解明」
③ P-15 近田裕美(東海大学 医学部 基礎医学系 分子生命科学)
「肝臓における薬物代謝の性差を制御する分子メカニズム」
④ P-17  大野友美絵(早稲田大学大学院 先端理工学研究科 生命医科学専攻)
「Gpnmbによる肝糖新生抑制機構の解明」


宮島篤先生と優秀ポスター賞受賞者(東京大学 木村拓也さん、東海大学 近田裕美さん、早稲田大学 大野友美絵さん)。閉会式にて。

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