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研究会活動紹介

第21回肝細胞研究会 優秀ポスター賞受賞の喜び

札幌医科大学フロンティア医学研究所組織再生学部門
小林誠司

この度、第21回肝細胞研究会において私の研究「胆管上皮細胞の分化能を制御する分子メカニズムの解析」のポスター発表の機会を頂きましたことに加えて、優秀ポスター賞を賜りましたことに深く感謝し、大変嬉しく思っております。誠にありがとうございました。また、発表の場におきまして温かく貴重なご助言を頂きました先生方にも重ねて御礼申し上げます。

私がPh.D-MD コースの学生として所属している当研究室では、肝臓が持つ機能的かつ効率的な組織形態が肝臓の発生過程に於いてどのように形成されるかを明らかにし、その過程を制御する分子メカニズムについて様々な手法を用いて解明することを目指しています。その中で私は、胆管上皮細胞の分化可塑性を制御するメカニズムについて、分子生物学的手法を用いて解析を行っております。

これまでに胆管上皮細胞の機能的分化に必須の転写因子であるgrainyhead like-2 (Grhl2)に肝細胞分化を抑制する作用があることが明らかになっていました。本研究では、肝細胞分化において重要な役割を担うmicroRNA122(miR122)の発現をGrhl2 が制御することを見いだしました。miR122 のコード領域周辺のDNA塩基配列を精査した結果、プロモーター領域やエンハンサー領域に複数の推定Grhl2 結合配列が認められ、これらのいずれかにGrhl2 が結合することでmiR122 の発現を制御していると予想しました。その結合部位を同定するために、それぞれを変異あるいは欠損させてGrhl2 の存在下でのmiR122 のプロモーター活性の測定を行いましが、Grhl2 結合部位を明らかにするには至りませんでした。今後は、このGrhl2 がmiR122 の発現を抑制するメカニズムの解明を通じて、胆管上皮細胞の分化能を制御する分子メカニズムの解析を行っていきたいと考えています。

最後に、本研究を日頃よりご指導頂いております札幌医科大学フロンティア医学研究所組織再生学部門の三高俊広教授、谷水直樹准教授と教室員のみなさまに心より深謝を申し上げます。

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