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研究会活動紹介

第20回肝細胞研究会 優秀ポスター賞を受賞して

静岡大学大学院理学研究科生物科学専攻
上野友也

私は大阪で開催された第20回肝細胞研究会において、『Hepatic cyst formation and abnormal bile duct development in liver-specific Hhex knockout mice 』というテーマでポスター発表をさせていただきました。その研究発表に関して、ポスター賞を授与頂き、誠にありがとうございます。また、発表の場において、多くの先生方から貴重なご助言を頂けた事を重ねて御礼申し上げます。

 今回の研究会で、私はマウスの発生に必須の転写因子をコードするHhex 遺伝子の、発生後期以降の働きに注目した研究に関して発表させていただきました。Hhex 遺伝子を発生後期以降の肝臓で欠失するHhex コンディショナルノックアウト(CKO)マウスの 肝臓では多発性肝嚢胞症によく似た症状を発症するということが報告されていましたが、その後の詳しい研究はされていませんでした。また、多発性肝嚢胞症にはいまだ確立された治療法はないため、肝特異的なHhex 欠失により生じる嚢胞の形成メカニズムを明らかにすることで、嚢胞症の治療に関する研究の一助となることができるのではないかと考え、研究を行ってきました。出生直後のHhex CKO マウス肝臓では偽腺管構造が形成されますが、その偽腺管構造は生後一週間以内にほぼ正常な状態にまで回復します。一方で、胆管の拡張や肝被膜下に嚢胞が形成され、成長とともに肥大化していくという経過をたどります。嚢胞を構成する上皮細胞は、はじめHNF4α陽性であるものの、成長に伴いその発現は消失し、SOX9の発現を徐々に獲得していくという遺伝子発現パターンの変化がみられました。このことから嚢胞が肝細胞由来の可能性があるということを報告しました。一方で、嚢胞が肝細胞由来であることの厳密な証明やHhex 遺伝子欠失により引き起こされる遺伝子発現の変化に関しては、いまだ解析が不十分なことが多く残されています。今後は、これらのことを明らかにするため、今回の研究会において得られた多くの先生方との有意義な議論やアドバイスを参考にし、さらに研究に邁進していきたいと思います。

最後に、本研究を日頃よりご指導していただいております静岡大学 理学研究科 生物科学専攻 塩尻信義先生、小池亨先生に深く感謝を申し上げます。

HP 第20回肝細胞研究会サイト

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