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研究会概要

第19回肝細胞研究会 優秀ポスター賞を受賞して

順天堂大学大学院医学研究科 免疫学講座 アトピー疾患研究センター
仁科隆史

 この度は第19回肝細胞研究会において栄えある優秀ポスター賞を賜り、誠に光栄に存じます。それと同時にこの受賞は、今後の研究活動に向け、より一層精進するようご鞭撻頂いた事でもあり、大変身の引き締まる思いが致します。本研究会での発表に際し、ご尽力くださいました会長の三高俊広先生、ならびに本会関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。また、発表の場では、多くの先生方より本質を突いた貴重なご指摘やご助言を頂く事ができました。この場をお借りして重ねて御礼申し上げます。

 私は、細胞死に伴う酸化ストレスの生理的な役割に関する研究を行っております。酸化ストレスの亢進は、様々な疾患を促進する有害な因子となる一方、免疫応答や組織修復の促進など、生理的に有益な機能を発揮していることが近年明らかとなってきました。しかしながら、活性酸素種(ROS)が、どのような特定の分子を介してこれらの反応に関与しているかは未だ不明です。

 そこで、ROSにより発現誘導される分子の探索を行ったところ、IL-6サイトカインファミリーの一つであるIL-11が、ROS依存性に産生される事を見出しました。そして酸化ストレスの亢進が病態の悪化に関与する、アセトアミノフェン誘導性肝障害マウスモデルを用いて解析を進めたところ、酸化ストレスに応じて産生されたIL-11は、酸化ストレスの減弱、および肝細胞の代償性増殖を促進する因子であることが明らかとなりました。組織修復や腫瘍形成においては、酸化ストレス及びSTAT3活性化の重要性が示唆されていることから、ROSによって産生されSTAT3を活性化するIL-11は、これまで不明だった酸化ストレスと組織修復や病態を連結する分子の1つではないかと考えております。また、酸化ストレスのエフェクターとなるIL-11を中心とした解析を進める事で、未だ不明な点が多い酸化ストレスによる生体調節機構の一端を明らかにできるのではないかと期待しております。

 この素晴しい賞を拝受できましたのも、普段より惜しみないお力添えをくださる順天堂大学免疫学講座の奥村康先生、中野裕康先生ならびに共同研究者の先生方の御蔭であり、深く感謝申し上げます。

 最後に、今回の受賞を励みに、これからも一意専心、より良い研究ができるよう努めて参りたいと思います。本会の先生方には、今後ともどうか末長くご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

HP 第19回肝細胞研究会サイト

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