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研究会活動紹介

第19回肝細胞研究会 はじめて参加しました!これはおもしろい!!

京都大学iPS細胞研究所
川口義弥

札幌で開催された第19回肝細胞研究会に初めて参加しました。「いやあ。めちゃくちゃおもしろかった!」というのが、率直な感想です。「ちょうどいい参加人数」、「適度なマニアック性」、「活発な討論」の3点が特に印象に残りました。

まず、参加者全員が同時に同じテーマで考えられる(複数の発表会場に分かれていない)事は問題意識の共有という観点から非常に重要です。医学、生物学、工学など異なるバックグラウンドを持つ研究者が肝臓をキーワードとして議論する訳ですが、内容があまりにオタク過ぎると、あるヒトにとっては面白くても他のヒトにはついていけないという事態に陥ります。お互いの境界領域の問題が適度なマニアック性をもって語られる中で、それがしばしば自分の領域の重大命題解決に繋がることがある!という事を気づかせてくれる稀なチャンスでした。“サカナの亜分類による肝臓構造の違い!”とか、“ホッキョクグマ!”とか、他学会ではなかなか聞けない内容もあり、これが新たな研究の発想に結びつく可能性が十分にあります。

「目の前の患者こそが大先生」である臨床医学においては「経験が重要」と良く言われましたし、私自身もそう思います。しかしScienceにおいては若い研究者がある日突然、大御所先生をスッパ抜く大業績を挙げる事例があるのも事実です。「自然の営みを解き明かす」という媚薬に魅せられた人々(もちろん自分の事も含めている(笑))が自由な発想で、大御所先輩達に遠慮会釈なくデータを討論するのは極めて重要な事であると私は思っております。つまり、“自然が時折、ほんのちょっぴり見せてくれる事実”の前には皆平等であるという事です。この研究会には、まさにそういった土壌が既に完成している様に感じました。

さらに踏み込んで言えば、私は、現在の医学にはもはや臨床と基礎の間の垣根は存在しないと思います。「病気とは何かを良く考え、それを治してゆく」その営み全てが医学であると考えます。本研究会において様々な観点から肝臓が論じられているのを見て、どうやらこの考えは間違っていないと感じました。今回、お誘い頂いた三高会長はじめ運営に御尽力頂いた教室員の方々、素晴しい発表と討論を通じて私の頭の中身をスッキリとしていただいた会員の皆様方に御礼申し上げます。最後になりましたが、こんなに“おもしろい”肝細胞研究会の益々の御発展をお祈り致します。ありがとうございました!

HP 第19回肝細胞研究会サイト

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