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研究会活動紹介

学会参加記 第17回肝細胞研究会に参加して

横内裕二
熊本大学発生医学研究所 器官構築部門 肝臓発生分野

 本年の6月18、19日の二日間、第17回肝細胞研究会が秋田市で開催され、筆者は、榎本克彦本会長の招きにより本研究会に参加させていただきました。そこで、今回の肝細胞研究会の印象について述べさせていただきます。

 本会が開催された秋田アトリオンは、JR秋田駅から徒歩5分という利便性と、佐竹氏の居城であった久保田城趾に隣接するという品格を兼ね備えた会場である。

 本会では、2つのシンポジウム「肝構成細胞の発生と分化」、「肝幹細胞と肝再生」と6つの講演「肝の発生と幹細胞」、「肝傷害」、「新しい実験系」、「シグナル伝達」、「肝細胞の増殖制御と腫瘍」、「肝再生」が行われた。シンポジウムでは、S2-01の宮島篤先生らのグループによる「成体肝幹/前駆細胞反応を制御する細胞間シグナルネットワーク」が 肝臓の再生現象の本質に迫る発表であり有意義であった。また、一般講演では、SO2-05の坂井田功先生らのグループによる「肝硬変症の自己骨髄細胞投与療法」に関する発表が興味深かった。各セッションでは、短い発表時間にも関わらず本質を突いた討論が行われており、発表者と聴衆とが積極的に研究会に臨んでいることが強く感じられた。また、大会の運営に関しても、全体的にはスムースでほとんど遅れること無く予定通り進行したことに驚いた。これも運営委員の適切なアナウンスと発表者の意識の高さによるものであると思われる。

 特別講演は、宮園浩平先生による「TGF-βシグナルとがん」であったが、複雑であるはずのストーリーを初心者にもわかりやすく発表されていることに感服した。

 一日目の最後には、オルガニスト香取智子さんによるミニコンサートが開催された。パイプオルガンから奏でられるバッハの調べは、大量の情報をインプットされた頭をほぐす一服の清涼剤であった。

 本研究会は、肝臓を研究対象とし、様々な分野の研究者が集まるというユニークな研究会であり、肝細胞に関わる基礎研究から臨床研究までを短時間で一望できるという点で、非常に有意義であった。大規模な学会が方向性を見失っている昨今、今後の学会のあり方を示すものであると強く感じた。

HP 第17回肝細胞研究会サイト

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