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研究会活動紹介

第17回肝細胞研究会を開催して

榎本 克彦
秋田大学大学院医学研究科
分子病態学・腫瘍病態学講座

 6月18日,19日に秋田アトリオンで開催致しました第17回肝細胞研究会には多くの先生方の参加を賜りまして無事終了することができました.紙面を借りまして肝細胞研究会会員の皆様にご報告するとともに心より御礼申し上げます.

 今回はシンポジウム企画が2つ,特別講演1題,一般口演35題,ポスター20題の応募があり,いずれも素晴らしい研究成果が発表され,また活発な討論が交わされて大変勉強になった,との声が寄せられております.開催者として大変光栄に感じております.

 シンポジウムの1つは私の個人的興味で「肝構成細胞の発生と分化」というテーマで企画し,西川祐司先生と塩尻信義先生にオーガナイザーをお願い致しました.もう1つのシンポジウムは2009年の「Stem cell and liver regeneration」というGrompe氏のグループの論文を読んで触発され,「肝幹細胞と肝再生」(こちらは成熟肝の幹細胞と傷害再生)のテーマで紙谷聡英先生と大橋一夫先生に企画をお願いしました.特別講演は私と同じ病理学の分野の東大分子病理の宮園浩平先生にお願いしたところ快くお引受けいただきました.演題名は「TGFβシグナルとがん」で豊富なデータに基づく大変素晴らしいご講演でした.TGFβは肝線維化においても重要な役割を果たす分子であり,本研究会会員にとっても有意義な講演であったと思います.

 2010年1月には,ヒトiPS細胞からほぼ成熟に近いヒト肝細胞への分化を誘導した,という肝研究者にとりかなり究極的な研究がDuncan氏のグループから発表されました.本研究会においても,ヒトESおよびiPS細胞から肝細胞への分化誘導を試みた研究発表がなされ,ヒトiPS細胞に対しSOX17遺伝子導入による分化促進効果を発表した大阪大学の高山和雄先生が優秀演題賞に選ばれました.優秀ポスター賞にはマウスオーバル細胞の増殖にFGF7が重要であることを発表した東京大学の高瀬比菜子先生が選ばれました.紙面の都合でご紹介できませんが,他にもたくさんの立派な発表があったことをご報告したいと思います.

 今回,会場としてパイプオルガンを備えた音楽ホールを予約することができましたので,第1日目の夕方に専属奏者の香取さんによるミニコンサートを企画しました.香取智子さんの演奏と解説が素晴らしく,ふだん,研究や臨床にお忙しい先生達にはよい気分転換となったことと思います.

 最後になりますが,今回の研究会に参加いただきました会員の皆様にあらためて感謝いたしますとともに,皆様の研究の進展と肝細胞研究会がますます活発な会となりますことをお祈りいたします.また,本研究会開催にあたりご支援を賜りました関係各位に厚く御礼申し上げます.

HP 第17回肝細胞研究会サイト

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