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研究会活動紹介

第16回肝細胞研究会 優秀演題賞を受賞して

須藤 亮
慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科

第16回肝細胞研究会にて「マイクロ流体システムを用いた肝細胞・血管内皮細胞の三次元共培養モデルの構築」という演題で発表致しました。この研究は2006年10月から2009年3月まで留学していたマサチューセッツ工科大学における研究成果です。私は理工学部の出身ですが、学生の頃から肝臓の再生能力に興味をもち生体外での肝組織再生に取り組んできました。留学先のRoger Kamm教授の研究室では微細加工技術を応用したマイクロ流体デバイスの開発が行なわれており、私はそのデバイスの開発と細胞培養系への応用に取り組みました。その結果、肝細胞に流れ(interstitial flow)を負荷することでマイクロ流体デバイスの中で三次元組織を形成できることを見出しました。さらに、それを血管内皮細胞の血管新生モデルと組み合わせることで毛細血管内皮細胞の血管形成が促進されることが分かってきました。

マイクロ流体システムは、従来のマクロスケールの培養系に比べて対流・拡散現象などの培養環境を正確にコントロールすることができます。生体内の現象を単純化した生体外培養系はニ次元培養から始まりましたが、研究成果の蓄積と共に徐々に高度化し、最近は三次元培養の重要性が広く認識されています。マイクロ流体システムは三次元培養が可能であることに加えて、培養環境を正確にコントロールできる利点もあり、組織再生研究において重要な研究ツールになると考えています。このような工学的なアプローチを中心に今後も肝臓の再生研究に取り組んでいきたいと考えています。

肝細胞研究会には以前から参加しておりますが、医学・生物・工学など様々なバックグランドをもつ研究者が発表されていますので、肝臓研究を多面的な目で捉えることができ、毎回とても興味深く講演を聴いています。このような研究会において優秀演題賞をいただくことができ、大変光栄に思っています。これを励みにして今後も肝臓再生における工学的なアプローチを展開していきたいと考えています。2009年4月から慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科にて研究室をスタートしました。留学先で学んできたマイクロ流体システムの技術と、これまでに培ってきたマクロスケールでの三次元培養を融合し、新しい研究を展開していきたいと考えています。今後ともよろしくお願い致します。

HP 第16回肝細胞研究会サイト

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