HOME > 研究会概要 > 研究会活動紹介 > シンポジウム1「肝再生研究の最前線」

研究会活動紹介

シンポジウム1「肝再生研究の最前線」

富谷智明
東京大学医学部

 シンポジウム1「肝再生研究の最前線」(司会:尾崎倫孝先生、富谷智明)はシンポジウムのトップバッターとして、27日午前に開かれました。塩尻会長の熱意が通じたのでしょう、朝早くから多数の参加者に来ていただけたのは司会の一人として幸いでした。

 発表はまず富谷が全体のoverviewと臨床上問題となる肝再生不全に関して話した後、各演者の発表が行われました。以下は臨床系大学院一年生(初参加)の感想(?)です。

 「最も感じたのは、私がこれまで経験したどの研究会よりも“熱い”研究会だということでした。演者の先生方は私のような初心者にもわかりやすく、ご自身の研究だけでなくその分野の背景もご説明いただきました。稲垣光裕先生は肝障害モデルラットに対する骨髄由来細胞及び分離肝細胞移植の肝再生促進以外の効果の存在(肝障害抑制効果)に関してご提示されました。立野知世先生は胆汁酸と肝細胞増殖停止機構との関係性を示唆する実験結果を発表され、さらに胆汁酸からPKC、TNFα、FXRを介した肝細胞の増殖カスケード及びネガティブフィードバック機構をご説明されました。尾崎倫孝先生は肝障害及び肝再生のメカニズムをSTAT3、PDK1、Aktなどの細胞内情報伝達系から評価された結果を示されました。青山友則先生は脂肪性肝炎を発症するKKAyマウスにおけるpioglitazoneの肝再生不全改善効果をアディポネクチンを含めたサイトカインの改善という視点でご説明されました。小倉靖弘先生は生体部分肝移植症例における肝再生と門脈圧、門脈血流、HGF、VEGFとの関係を提示されました。質疑応答では、諸先生方がマイクを奪い合う様に演者の先生方と熱論を交わされていました。熱い言葉を多数拝聴しました。」

 言葉の足りない点等はご容赦下さい。これからの研究者に対して刺激的な演題がそろい、またなにより参加者の学問に対する真摯な熱意が伝わったと思います。収穫の多いシンポジウムではなかったかと感じています。

 最後に会員の一人として、この様なシンポジウムを企画頂いた塩尻会長に心から感謝の意を表したいと思います。

HP 第15回肝細胞研究会サイト

▲ページの先頭へ

Page Top