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研究会概要

代表世話人 宮島 篤 
(東京大学分子細胞生物学研究所 発生・再生研究分野)

肝細胞研究会は、徳島大学名誉教授市原明先生が昭和50年代に立ち上げた初代培養肝細胞研究会を引きついだ研究会です。それまでは、樹立された肝癌細胞株がもっぱら実験材料として用いられていました。初代培養肝細胞は、本来の肝細胞の機能を有した画期的な研究手法であり、その当時、初代培養肝細胞を用いてHGFの発見をはじめとして肝再生などの研究も大きく進展しました。その後、赤池敏宏先生(東工大)、故藤原研司先生(埼玉医大、横浜労災病院)、吉里勝利先生(広島大、現(株)フェニックスバイオ学術顧問)、坪内博仁先生(鹿児島大学、現鹿児島市民病院長)が、研究会代表世話人をされ、発展してきました。

肝臓は巨大な臓器でありながら、その大部分が比較的均一な肝実質細胞の肝細胞であることから、生化学の教科書に登場する代謝に関わる様々な酵素や転写・翻訳等基本的な生命機能に関わる諸因子の多くは肝臓の抽出液から精製され解析されてきました。このように肝臓は生体分子を調製する原材料として大いに役立ってきましたが、肝臓自体の機能や発生、分化、再生などの基礎的研究は必ずしも進んではいませんでした。おそらく、それが本研究会の前身である初代培養肝細胞研究会が設立された理由かと思います。

肝臓には実質細胞である肝細胞以外にも、胆管、肝臓特有の血管系である類洞を構成する特殊な類洞内皮細胞、肝星細胞、さらに肝臓のマクロファージであるKupffer細胞など肝臓特有の細胞群が存在します。肝細胞同士はもちろん、非実質細胞との連携は肝臓の機能発現にとって欠かせません。したがって、肝細胞研究会の対象となる細胞は、肝細胞だけでなく、肝臓を構成する全ての細胞を研究対象としており、肝発生と臓器形成の機構、生体の恒常性を担う代謝機能や免疫応答、種々の原因による炎症、肝線維化、癌化などの病態や、肝障害からの再生機構、シグナル伝達、遺伝子発現、さらにiPS細胞などからの肝分化誘導系なども肝細胞研究会の対象です。肝細胞研究会は、肝臓の基礎と臨床の研究者が一堂に会して研究成果を共有する場を提供しております。臨床医学、基礎医学、薬学、工学、理学など多く分野の研究者が参加していますので、この方面に関心のある多くの研究者の参加を歓迎します。

(平成26年7月)

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