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研究会活動紹介

第32回肝細胞研究会 会長報告

会長:坂本 直哉(北海道大学大学院医学研究院・消化器内科学教室)

第32回肝細胞研究会は、2025年7月25日(金)、26日(土)の2日間、北海道大学医学部 フラテホールにて開催されました。

参加者数は約169名(招待者等含む)で、全国各地から多くの研究者・臨床医・学生の皆様にご参加いただき、活発な議論が展開されました。

初日の特別講演では、北海道大学大学院医学研究院統合病理学教室の谷口浩二先生より「消化器における炎症とがん・組織再生」と題し、消化器領域における慢性炎症とがん化、再生機構の連関に関してご講演いただきました。

ランチョンセミナーでは、大阪大学・疋田隼人先生より「C型慢性肝疾患の最前線 〜基礎研究と臨床研究を交えて〜」と題した講演が行われ、最新の基礎研究成果と臨床応用の橋渡しについて紹介されました。また、ポスターセッションでは「肝がんと培養系」「肝線維化」「肝細胞分化と肝障害」「肝疾患」の4カテゴリーで多彩な演題が発表され、会場内は終始熱気に満ちていました。

2日目には、アッヴィ合同会社共催によるスポンサードセミナー「C型肝炎」が行われ、三重大学・中川勇人先生、山口大学・高見太郎先生のご講演を通じて、HCV撲滅に向けた研究と診療の最新動向が共有されました。

シンポジウム1「肝構成細胞の培養分化研究の進歩」、シンポジウム2「肝疾患の病態解明」では、肝細胞や星細胞を含む各種構成細胞に関する多様な研究が紹介され、肝疾患モデル構築から臨床応用までを見据えた議論が展開されました。

一般演題は5つのセッション(MASLD、肝がん、肝線維化、肝細胞培養系、肝疾患)に分かれ、口演20題、ポスター24題が発表されました。例年通り、講演後には多数の質問が寄せられ、参加者の関心の高さがうかがわれました。

会期中には医学部百年記念会館にて情報交換会も開催され、分野を超えた交流と議論の場となりました。

最後になりますが、ご参加いただいた全ての先生方、発表者の皆様、共催企業の皆様に深く感謝申し上げます。また、プログラム企画や当日の運営に多大なご協力をいただいた代表世話人の仁科博史先生をはじめとする世話人の先生方に、心より御礼申し上げます。

なお、次回第33回肝細胞研究会は、2026年に国立健康危機管理研究機構,国立国際医療研究所肝炎・免疫研究センター,室長の田中 稔先生を会長として山口県にて肝類洞壁細胞研究会と共同開催される予定です。引き続き、多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。


坂本大会長挨拶

口演会場(フラテホール)

ポスター会場

情報交換会

肝類洞壁細胞研究会との初タンデム開催
次回大会長田中稔先生御挨拶
次回大会長田中稔先生御挨拶

各種受賞者

優秀ポスター賞

P1-2 生体環境を模倣した新規培養系を用いた肝癌細胞の代謝特性の解析
山崎 允丈(東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻)
P1-3 生理的エネルギー代謝を再現する肝細胞培養系の開発
菊川 拓暉(東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻)
P3-2 生体模倣システムを利用した血管化肝スフェロイドの機能評価と肝毒性検出への応用
松本 倫実(京都大学大学院工学研究科)
P3-3 ヒトiPS細胞由来肝細胞の形質における胆汁酸シグナル調節の解析
山田 華穂(東京科学大学医学部疾患生理機能解析学分野)

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